産後の身体はフルマラソン後と同じ？無理せず回復するために大切なこと

産後の身体は想像以上にダメージを受けている

出産を終えた後の身体は「フルマラソンを走り終えた直後」とよく例えられます。しかし、実際にフルマラソンを走った後の身体の状態を想像したことはありますか？

フルマラソンを完走した直後、ランナーの身体は長時間走り続けたことで全身の筋肉が炎症を起こし、下半身の関節には大きな負担がかかっています。また、体内のエネルギーを使い果たし、強い疲労と全身の痛みを感じる状態です。

産後のママの身体も同じように、大きな負担を受けています。それに加えて、妊娠中に骨盤が開き、筋肉や靭帯が伸びるなどの変化があり、すぐには回復しません。そんな状態で、産後わずか1週間の休息の後には「育児」と「家事」という、さらに過酷なトライアスロンが待っています。

無理を続けると、心と身体が悲鳴を上げる

このような状態で無理をし続けると、身体の回復が遅れるだけでなく、心も壊れてしまいます。産後はホルモンバランスが大きく変化するため、気持ちが不安定になりやすく、産後うつを発症するリスクも高まります。

さらに、疲れ切った身体で休むことなく育児や家事に追われると、ストレスが積み重なり、精神的にも追い詰められてしまいます。そうなる前に、まずは「休息を取ることが必要不可欠である」と意識することが大切です。

産後の回復には「頼ること」が必要

では、産後の身体を自然な過程で回復させるためにはどうすればよいのでしょうか？

それは、「人に頼る」ことです。親や兄弟、友人、パートナーなど、身近な人に協力を求めることで、身体的にも精神的にも負担が軽くなります。ｆ

「周りに頼れる人がいない」と感じる場合でも、ママをサポートする制度やサービスはたくさんあります。自治体の支援制度や、ベビーシッター、家事代行サービスなどを活用することで、少しでも身体を休める時間を作ることができます。

「お金がかかるから自分で頑張らなきゃ」と思うかもしれません。しかし、無理をして身体や心を壊してしまえば、その後の生活に大きな影響を及ぼします。最悪の場合、心の健康を損ねてしまい、深刻な状況に陥ることもあるのです。

産後の回復には時間がかかる

一般的に、妊娠前の状態に身体が戻るまでには約1年かかると言われています。この1年間は、ママ自身の健康に投資し、身体を大切にする時間として考えてみてください。

産後の回復において、何よりも大切なのは「休息を取ること」です。しっかりと身体を休めることで、次の一歩を踏み出す力が生まれます。

もし、まとまった休息を取るのが難しい場合は、ベビーシッターを活用するのもひとつの方法です。短時間でも赤ちゃんを預けることで、少しだけでも自分の時間を確保し、心と身体をリセットすることができます。

産後の身体をいたわりながら、ゆっくり回復を

出産は、女性の身体にとって大きな変化をもたらします。産後の身体は焦らず、少しずつ回復していくものです。

無理をせず、自分を大切にしながら、少しずつできることを増やしていけば大丈夫。産後の回復を意識しながら、楽しく育児ができるママが増えることを願います。